小説『トイレの神様』

トイレットペーパーの霊をやっている。

 

死ぬと気だけの存在になって、自分に合う場所に自由に行ける。逆に自分に合う場所にしかいられなくなる。

 

神社が性に合って、神社に住み着いて参拝者の気分をすっきりさせるお仕事をする人もいる。死んでなお仕事してるっていう…

 

私は好きな女の子の一人暮らしの家の、トイレットペーパーホルダーに、導かれるように吸い込まれて離れられなくなってる。

 

女の子は霊感があるのかないのか「うちのトイレに入ると、車に轢かれたあの子を思い出すんだよね。ナプキン、返さなかったな」と、トイレで友達に送っていた。

 

 

彼氏、今時小を立ってしているぞ、と、たれこみたい衝動を抑えている。夢で知らせようか?